何事にもタイミングは大切である。
大坂の陣についてはどうであったろう。
大坂の陣で、藤堂高虎の隊と戦った
長宗我部盛親を主人公にした
司馬遼太郎の作品がある。
「戦雲の夢」がそれだ。
この小説は、関ヶ原の戦いで、惨めな敗走をせざるを
得なかった盛親が、
再起をかけ、思いをこめた戦が大坂の陣であり、
それを決意するまでを描いている。
司馬は盛親に作品の中でこう言わせている。
「大阪は、ただ待つだけでよい。待てば家康が死ぬ。」
盛親は家康がいなくなれば、天下に隙ができて
二十歳を超えて、分別が付くようになってきた
秀頼につく大名がでてくると読んでいた、とみていたわけだ。
そのように司馬は書いている。
だが、現実の大坂の陣は、このタイミングより
わずかに早く始まってしまった。
その結果、大阪方は敗れ
そして、家康は大坂の陣が終わった次の年に没した。
タイミングが、少しずれたのである。
丸善の本店に行きました。
そうしたら人生の転機に読む本として
「長宗我部」が推薦されていました。